医院名:モーニングクリニック六本木 
所在地:東京都港区六本木6丁目1-8 
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六本木グリーンビル7階

慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎

慢性中耳炎

慢性中耳炎中耳腔が慢性的に炎症を起こしている状態ですから細菌感染を起こしやすく、持続性・反復性の耳漏が出て、鼓膜や耳小骨に異常を起こし、聴力が低下します。慢性単純性中耳炎(慢性化膿性中耳炎)と癒着性中耳炎に分けられます。

慢性単純性中耳炎

急性中耳炎が治りきらず鼓膜に穴が開いたままになり、耳だれ(耳漏)を繰り返します。鼓膜に穴が開いているため音を十分に捉えられず、聴力低下、難聴が起こります。また、穴があることから細菌感染しやすく、穴を通して耳漏(耳だれ)が起こります。

癒着性中耳炎

鼓膜が中耳腔の粘膜にくっついてしまうため、感染を起こしやすく、換気されないため治りにくい耳漏(耳だれ)が続きます。悪化により耳小骨が溶けてしまい、聴力が低下していきます。重症化すると1度の手術では治すことができず、1年ほど間をあけた再手術が必要になりますし、それ以上の手術を繰り返さなければ治らないケースもあります。

慢性中耳炎の原因

幼少期に中耳炎を繰り返すなど、長期間炎症が続いたときになりやすく、耳管の機能が関与していることも指摘されています。
炎症が続くと線維化組織が増えて肉芽が形成されやすく、肉芽が細菌の温床になるため耳漏(耳だれ)の症状が続きます。治療を受けても後遺症として中耳腔に切開が沈着して耳小骨が動かなくなり、難聴が残って再建手術が必要になることがあります。女性は特に石灰沈着しやすい傾向があります。

慢性中耳炎の症状

耳漏(耳だれ)

のどや鼻の感染による炎症があると、中耳腔の分泌物も増加して耳漏(耳だれ)が起こり、再発も多くみられます。抗生物質に対して抵抗力を持つ薬剤耐性菌の感染者が増えてきているため、注意が必要です。

難聴

慢性中耳炎を放置すると聴力に大きな役割を果たしている耳小骨に異常をきたして、難聴が進みます。さらに、中耳炎が内耳にも波及して障害を起こし、感音難聴も現れます。感音難聴の改善は難しいので、内耳に影響が及ぶ前の適切な治療が重要になってきます。

耳鳴り

難聴にともなって耳鳴りが起こることがあります。内耳機能障害まで発展した例もあります。

慢性中耳炎の治療

耳漏(耳だれ)をなくし、乾燥した状態を保つことが難聴改善にも役立ちます。基本的に耳内の徹底的な清掃、点耳薬や抗生物質で炎症を和らげる治療を行いますが、鼓膜に穴が開いた状態では耳漏(耳だれ)が再発しますし、それを繰り返しているうちに薬剤耐性菌に感染する可能性があります。そのため、手術で鼓膜穿孔を閉鎖し、耳小骨の異常がある場合にはその修復も行うことをおすすめしています。

慢性中耳炎の手術

耳小骨に異常があるかどうかで手術内容は変わってきます。異常がなければ鼓膜の穴を修復することで聴力改善が見込めます。耳小骨に異常があったらCT検査を行った上で、鼓膜の穴の閉鎖と耳小骨の再建手術を行います。

鼓膜形成術(日帰り手術)

局所麻酔を行って、鼓膜を接着する手術です。所要時間は30分程度ですから、日帰り手術が可能です。
まず鼓膜穿孔閉鎖のための皮下組織を採取する必要があるため、耳たぶの付け根に局所麻酔を注射して一部の皮膚を切開して採取します。その後、鼓膜の穿孔縁を小さく切り取って採取した皮下組織を中耳腔内に入れ、穿孔を閉鎖して接着したら終了です。
鼓膜穿孔の閉鎖には、アンダーレイ法より難しいサンドウィッチ法があります。これは、穿孔閉鎖率が高く、治癒に至るまでの期間も短い手法であり、高い技術力が必要とされます。耳後部から採取した筋膜を2枚にした鼓膜でサンドウィッチのように挟み込んで閉鎖します。ほかに鼓室形成術もありますが、こちらはご紹介での入院による手術となります。

また、耳小骨に異常がある場合には、小さな骨片やセラミック製の人工耳小を用いた耳小骨の再建が必要です。

手術費用

健康保険が適用された目安の価格です。

鼓膜形成術(片側、3割負担) 約54,000円

真珠腫性中耳炎

真珠腫性中耳炎鼓膜が中耳腔に陥没し、その中に垢がたまった状態の真珠腫は、骨や神経を溶かしながら大きくなっていきます。細菌が繁殖しやすいため中耳炎を発症しやすく、悪臭のある耳漏(耳だれ)が起こり、耳小骨が破壊されると難聴が、中耳周囲の骨まで破壊されるとめまいや顔面神経麻痺などを起こします。

真珠腫性中耳炎の原因

鼻をすすり上げると真珠腫ができやすい傾向があるとされており、耳管機能の悪化でも発症しますが、原因がわからないこともよくあります。耳管開放術を受けると鼻すすりの癖がなくなるケースもあります。

真珠腫性中耳炎の症状

真珠腫が細菌感染を起こした場合には、悪臭のある耳漏(耳だれ)が起こり、ポリープが形成して血が混じった耳漏(耳だれ)が起こる場合もあります。
難聴は真珠腫がかなり進行してから起こります。さらに進行すると三半規管周囲の骨まで破壊されてめまいを発症します。中耳腔の奥にある顔面神経にまで炎症がおよぶと顔面神経麻痺になり、頭蓋内で髄膜炎や脳膿瘍など命に係わる病気を引き起こす危険性も指摘されています。

真珠腫性中耳炎の治療

真珠腫の摘出には、中耳腔内の鼓室形成、乳突削開による乳突部の開放と清掃など、入院による手術が必要ですので、信頼できる提携病院のご紹介を行っています。