胃内視鏡検査で診断が可能な病気
逆流性食道炎
症状
- 胸やけ
- 呑酸(酸っぱいもの・苦いものが上がってくる)
- ゲップ
- みぞおちの痛み
胃液や胃の内容物が逆流して食道に炎症を起こす病気です。薬物による症状改善効果が高いのですが、再発防止のためには生活習慣の改善も重要です。
慢性胃炎
症状
- 胃もたれ
- 食欲不振
ピロリ菌に感染している可能性が高いため、検査を受けるようおすすめしています。慢性胃炎を繰り返すと胃へのダメージが蓄積して萎縮性胃炎になり、胃がんリスクが高くなってしまうため、ピロリ菌感染している場合には除菌治療が有効です。
大腸内視鏡検査で診断可能な病気
過敏性腸症候群
症状
- 下痢が続く
- 便秘と下痢を繰り返す
過敏性腸症候群の原因はまだはっきりとわかっていません。炎症などの病変はありませんが、蠕動運動など機能的な問題があって、ストレスなどをきっかけに便通異常を起こしていると考えられています。ただし、下痢や便秘はさまざまな大腸疾患で現れる症状ですから、まずは内視鏡検査を受けて他の病気に特有の病変がないかを確かめることが重要です。特に、最近増加傾向にある潰瘍性大腸炎やクローン病など難病指定された炎症性疾患、大腸がんなどとの鑑別は重要です。
大腸がん・大腸ポリープ
症状
- 血便
- 便潜血検査陽性
大腸がんや大腸ポリープは早期の自覚症状に乏しい傾向がありますが、できた場所によって血便や便潜血検査陽性が現れやすいことがあります。これは硬い便がポリープやがんにこすれて出血して起こります。この段階で発見できればお身体に負担が少ない治療で完治できる可能性がありますし、進行していても大腸がんはできるだけ早い治療が重要です。すぐに消化器専門医を受診して内視鏡検査を受けてください。
炎症性大腸炎
症状
- 血便
- 腹痛
- 下痢が続く
- 便潜血検査陽性
腸に起こる炎症性腸疾患では、潰瘍性大腸炎は早期発見が特に重要な病気です。原因がわからないため難病指定されており、完治はできませんが炎症を効果的に抑制する治療でよい状態を長く続けることが可能になります。特有の病変があり、大腸内視鏡検査で確定診断ができ、重症度も確認できるため適切な治療を行うことができます。
便潜血検査について
便潜血検査は、便の中に目で見ただけではわからないほど少量の血液が混じっていないかを調べる検査です。便の採取で手軽に調べることができます。初期の大腸がんやポリープを発見するために行われていますが、この検査では出血の有無を調べるだけなので確実な発見はできず、見逃してしまうことも多くなっています。また、痔などの疾患で陽性になってしまうこともよくあります。便潜血検査で陽性になって大腸内視鏡検査を受けることは不可欠ですが、陰性だからと油断してしまうのは危険です。リスクが高い年齢になったら、便潜血検査が陰性でも1度、内視鏡検査を受けるようにしてください。
陽性の方は精密検査を受けましょう
便潜血検査で陽性となった場合は、必ず内視鏡検査を受けてください。がんによる出血であった場合、進行している可能性もありますが、負担の少ない治療で完治が望めるケースもあります。できるだけ早く内視鏡検査を受けましょう。
陰性の方でも注意が必要です
便潜血検査で大腸がんによる陽性が出るのは、硬い便が擦れて出血する位置にがんがある場合です。まだ便がやわらかい大腸の奥にがんがある場合には、便の通過による出血が起こらず、陰性になります。また、硬い便が通過する場所でも隆起しているがんで、ある程度の大きさになるまでは擦れて出血を起こすことはありません。そのため、早期の大腸がんや小さなポリープは便潜血検査で見逃されてしまいます。早期の大腸がんや前がん病変のポリープは内視鏡検査で発見可能ですし、検査時の切除で完治が望めます。そのため、早期発見することで、お身体やお仕事などへの負担もほとんどありません。便潜血検査で陰性の結果が出て、特に自覚症状がなくても、リスクが高くなりはじめる40歳を超えたら大腸内視鏡検査を受けるようおすすめします。