アレルギー性鼻炎とは
花粉やダニ・ホコリ・カビ・ペットの毛などのハウスダストなどのアレルゲン(抗原)が原因となって起こる鼻炎です。くしゃみや鼻水は身体が有害なものを排出させるための防御反応ですが、アレルギーで過剰に反応してしまうため、くしゃみ、穴水・鼻づまりなどの症状が日常生活に支障を及ぼすほど起こってしまいます。
アレルギー性鼻炎の原因
花粉症を代表とする季節性のアレルギー性鼻炎と、ハウスダストなどによる通年性のアレルギー性鼻炎があります。
花粉症はスギ花粉によるものが有名ですが、ヒノキ、マツ、シラカバ、ケヤキ、ヘラオオバコ、ブタクサ、ヨモギ、ススキなどによって起こる花粉症もあります。早春、春、初夏、夏、秋に花粉が飛ぶ植物がありますので、どの植物にアレルギーが起こるのかを調べることが重要です。アレルゲンである花粉が飛び始める前に治療を開始すると、比較的症状が軽くすみ、楽に過ごせます。同じ植物でも地域によって飛散時期が変わってきますので、ご注意ください。
アレルギー性鼻炎の治療
薬物療法
眠気が少ない薬も増えてきていますが、ある程度の集中力低下が起こる可能性はあります。個人差がありますので、服用して様子を観察し、お仕事や学業、スポーツなどに支障が生じるようでしたらレーザー治療をおすすめしています。
アレルゲン免疫療法(減感作療法)
手術以外のアレルギー性鼻炎の治療法として、アレルゲン免疫療法(減感作療法)があります。12歳以上の方を対象とした治療法です。皮下免疫療法と舌下免疫療法がありますが、スギ花粉やダニがアレルゲンである場合には、舌下免疫療法をおすすめしています。
舌下免疫療法
舌下免疫療法では、1日1回薬を服用します。最初は少量の服用で開始し、医師による経過観察を受けながら決められた量を服用していきます。毎月1度の通院を3年以上続けることが必要になりますが、以降はお薬などを飲まずに症状が出なくなることが期待できます。
手術
下鼻甲介粘膜焼灼術
アレルギー性の炎症が生じている粘膜下組織を焼灼します。そうすることでアレルギー反応を軽減する事ができます。
手術に要する時間は、局所麻酔の時間も含め20分程度となります。
手術の効果は個人差がありますが、約2年~3年間となります。
粘膜下下鼻甲介骨切除術
下鼻甲介粘膜焼灼術で効果が充分に得られない場合、下鼻甲介の腫れなどが原因の場合に適応となる手術です。
多くの症例で、鼻閉改善を目的に鼻中隔矯正術も同時に行います。
後鼻神経切断術(経鼻腔翼突管神経切除術)
後鼻神経(アレルギー性鼻炎の鼻水やくしゃみを生じさせる)を鼻腔で切断する手術です。通常は粘膜下下鼻甲介骨切除術と併用して行います。
【当院手術の特徴】
後鼻神経切断術を行う際に、当院では神経を分けて大きな動脈を切らずに手術を行うので、過去に出血を出した患者様は1名もおりません。
手術費用
すべて健康保険の適用されます。下記記載の金額は3割負担となります。
※下記の費用には、麻酔薬、点滴薬、医療材料等の費用は含まれておりません。
下甲介粘膜焼灼術 | 2,910点(自己負担額8,730円) |
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粘膜下下鼻甲介骨切除術 | 6,620点(自己負担額19,860円) |
後鼻神経切断術(経鼻腔翼突管神経切除術) | 30,460点(自己負担額91,380円) |